スマート・バルブ・ポジショナの診断パラメータをプラント運転中にオンライン傾向監視することにより、メンテナンス業務の効率化を支援する調節弁メンテナンス支援システムです。
PLUG-IN Valstaffは、アズビル株式会社製スマート・バルブ・ポジショナの診断パラメータをプラント運転中にオンライン傾向監視することにより、調節弁およびポジショナの不調な状態を早期に検知しトラブルを低減、また調節弁メンテナンスの意思決定に必要な情報を可視化することで、メンテナンス業務の効率化を支援する調節弁メンテナンス支援システムです。
PLUG-IN Valstaffは、FOUNDATIONフィールドバスやHART®通信に対応したスマート・バルブ・ポジショナと通信することで、24時間365日、調節弁診断パラメータをモニタリングします。その診断情報から、調節弁の不調を検知することで、調節弁に起因するトラブルが発生する前に事前の処置を促し、プラントの安心安全な運転継続に貢献します。
また、PLUG-IN Valstaffは、調節弁本体に合わせたポジショナの調整設定を自動化、またステップ応答検査を自動化することで、迅速かつ正確なスタートアップを支援します。さらに、運転中に記録された診断データや、シャットダウン後に実施したステップ応答検査から、調節弁の状態を指標化することで、劣化進行状況に応じた適切な保全計画の立案を支援し、開放点検の最適化に貢献します。
PLUG-IN Valstaffは、デバイス・マネジメント・システム「InnovativeField Organizer™」または、横河電機株式会社製統合機器管理パッケージPRM（Plant Resource Manager）上で動作します。
特長
大量の調節弁をオンラインで傾向監視
プラント運転中にスマート・バルブ・ポジショナが持つ診断パラメータのデータを収集し、グラフ表示することで、調節弁の劣化の進行や異常の発生の推定を、プラント運転中にオンラインで行うことができます。
ステップ応答検査
プラント停止時に、PLUG-IN Valstaffからステップ応答検査を行う機能です。その結果をグラフに表示し、前回定修時の検査結果と比較することで、応答波形の変化から調節弁の劣化や不適合を発見できます。また、検査結果から得られる時定数や遅れ時間、整定時間等の定量的な動特性データは、調節弁の性能評価に役立ちます。この検査は、複数の調節弁に対して自動実行することができ、定修時に大量に実施する検査を夜間に実行させることで工期短縮にも貢献します。
オート・セットアップ
オート・セットアップは、PLUG-IN Valstaffからポジショナ自動調整機能を実行します。オート・セットアップ中の調節弁挙動をモニターすることができ、自動調整プロセスの異常の有無を確認しながら進めることができます。
また、オート・セットアップ中に計測するストローク時間とヒステリシスデータは、過去のオート・セットアップ実行時のデータと比較することで、簡易的に調節弁に発生している劣化や異常を推定することができます。
機能
- 調節弁のオンライン傾向モニタリング
プラント運転中にスマート・バルブ・ポジショナが持つ診断パラメータのデータを収集し、調節弁の劣化の進行や異常の推定を支援する下記診断グラフを表示します。
- 摺動距離積算
弁軸の動作距離量を積算します。 グランド部品、操作器シール、ガイド部品メンテナンス周期の指標となります。 - 全閉回数積算
全閉した回数をカウントし、全閉回数を時系列にグラフ表示します。
調節弁のシートリングの摩耗と塑性変形に対する指標となります。 - 反転動作回数
調節弁の反転動作回数をカウントし、時系列にグラフ表示します。
グランドパッキンなどの摺動部品の診断指標となります。 - 開度別頻度分布
ある開度領域で、弁がどの程度の頻度で運転されているかを全体の発生回数に対する頻度で表します。
弁サイジングの適正さの確認、弁内部や配管の閉塞傾向の検出、低開度運転によるトリムダメージを予測する指標となります。 - 最大作動速度
ポジショナ内部で、調節弁開方向、閉方向それぞれの作動速度を常時計測し、一日ごとの最大速度を求め、開閉方向それぞれの最大値を時系列トレンド表示します。
グランド部摺動性劣化、操作器ガイド部品劣化、操作器空気漏れを検出する指標となります。 - スティックスリップ診断
スティックスリップ動作の発生傾向を判定します。
グランド部摺動性の劣化検出、ガイド部固着傾向の検出、トリムの曲がりなどを検出する指標となります。 - 開度偏差
調節弁の開度設定値、実開度値を収集しグラフ表示します。
調節弁の動作特性のもっとも基本的な良否判断指標です。
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