製造業を取り巻く環境は、脱炭素化、循環経済、厳しい環境規制などに加え、労働力人口の減少や働き方改革への対応も求められています。これらの課題に対処するためには、生産の安定化を担保することが重要で設備管理レベルの維持向上が求められています。しかし、設備の高齢化、TBM*1偏重の保全方式、ベテラン社員の減少といった要因により、設備管理レベルの維持すら危ぶまれている状況です。 AIベースのCBMプラットフォーム「BiG EYES MMTM」は、自律型・設備管理コンセプトの下、企業全体で生産設備のCBM *2を可能にする仕組みであり、設備保全の究極のゴールである突発故障のゼロ化と保全コストの最小化を目指すものです。さらに、設備保全に従事する人々にとって、突発故障や夜間休日の呼び出し機会が減少することによる精神的な負担の低減、デジタル化への移行により属人化が解消され、多様な働き方が選択できるようになり、Well-beingを向上させることが期待できます。
*1)Time-Based Maintenance 時間基準保全
*2)Condition-Based Maintenance 状態基準保全
BiG EYES MMTMは、生産ラインのセンサーデータ、PLCやDCSなどの制御システム内データ、電流計や振動計など機器管理用センサーデータなどの多様なデータを使用し、AIがリアルタイムに設備状態を判定する“予兆保全”を実現するデジタルCBMプラットフォームです。
TBMからCBMへの変革(予兆保全の価値)
予兆保全は、異常予兆をトリガとしてメンテナンスを行う方式であり、予知保全とも呼ばれます。この保全方式は、重大なトラブルの未然防止を目的としており、計画保全と比較して保全労力およびコストを低減する効果があります。予兆保全を導入することで、設備の運用効率が向上し、突発的な故障によるダウンタイムが減少するため、全体的な生産性の向上が期待されます。
機器の予兆を検知する機械学習アルゴリズム
BiG EYES MMは、3つの特長の異なる機械学習アルゴリズムを搭載しています。機器の原理やセンサーの有無などに応じ、網羅性の高い予兆検知システムが構築可能です。
予兆保全の対象
様々な分野の重要設備の予兆保全に適用できます。
企業ワイドに使用できるシステム構成
BiG EYES MMTMのシステム構成は、サーバー、ビューア、コンフィギュレータの3要素で構成されます。サーバーは、DCS*8やPLC*9などの制御システム、および振動計や電流計などの機器診断センサーからデータを収集し、蓄積する役割を担います。収集されたデータを基に、AIが予兆監視モデルを自動学習し、対象を見守る監視を行います。ビューアは、GUI*10として機能し、AIによる監視状態をモニタリングするためのツールです。ユーザーはWebブラウザを介してビューアを利用します。異常予兆が検知された場合、ビューア上の該当設備が点滅するとともに、メールで異常予兆の発生が通知されます。
実際のシステム導入時には、規模に応じてサーバーとビューアのユーザー数を増減させることが可能であり、スケーラブルなシステムを構築でき、エンタープライズ環境で使用することが可能でです。
*8) Distributed Control System
*9) Programmable Logic Controller
*10) Graphical User Interface
専門家不要のAI監視モデル作成ツール ”コンフィギュレータ“
コンフィギュレータは、予兆保全を行う機器のAI監視モデルを作成するためのツールです。コンフィギュレータは、データサイエンティストやプログラミングの知識を必要とせず、設備管理部門の担当者が簡単な操作で予兆検知機能を構築できるように設計されています。また、作成したAIモデルの事前精度検証を同時に行うことができ、短時間で運用に移行できるという利点があります。
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