気体流量計に関する用語をまとめました。
μF(マイクロフロー)センサ
マイクロマシニング技術を結集した気体用流速センサ。1.7mm角チップに流速センサと温度/圧力センサを一体成型したチップ。高感度、数ms以下の応答性などの特長を持ち、本センサを応用した機器として気体流量計(マイクロフロー流量計シリーズ)がある。
禁油処理
配管系からの油脂成分の発生が、装置・製造物に悪影響を及ぼす可能性がある場合、および流体が酸素(接ガス部に残留している油分が気体との摩擦で発火する可能性があるため)を使用する場合に必要となる。部品表面の残留油分濃度が既定値以下となるよう接ガス部を洗浄する処理。マイクロフロー流量計の既定値は、75mg/m2以下
質量流量
単位時間に流れる流体を質量で表す。(単位は[kg/s]など) 対比語として「体積流量」。アズビル株式会社のマイクロフロー流量計は、標準状態(0℃、1atmや20℃、1atm)における体積流量を計測する。この値は、使用温度、圧力が変わっても同じ状態を定義することができるため質量流量計測といえる。(単位は[L/min(standard)]、[m3/h(normal)])
体積流量
単位時間に流れる流体を体積で表す。(単位は[L/min][m3/h]など) 対比語として「質量流量」。計測値はその時の温度、圧力に依存するため、ある状態での流量値を得るためには温度、圧力の補正を必要とする。
スタンダード流量 L/min(standard)
スタンダード(standard)流量とは、20℃、1気圧(1atm)に換算した1分間当たりの体積流量のことをいう。流量単位としては、L/min(standard) であらわす。 アズビル株式会社のマイクロフロー流量計の場合は、20℃、1気圧(1atm)を基準としているが、メーカーにより0℃、1気圧や25℃、1気圧を基準にしていることもある。
ノルマル流量 m3/h(normal)
ノルマル(normal)流量とは0℃、1気圧(1atm)に換算した1時間当たり体積流量のことをいう。流量単位としてはm3/h(normal)で表す。
CF値
Conversion Factor. ガス種補正係数。マイクロフロー流量計は熱式の原理を用いているため、気体の種類によって測定値に影響を生じるが、それを補正する係数。空気を1としたとき、空気を流したときの流量と対象ガスを流したときの流量の比を表した値。気体の成分比に見合った数値を製品本体の設定項目に設定すれば、その気体の流量値を得ることができる。
%FS
パーセントフルスケール(フルスケール誤差)。
表示精度や制御精度を表すときに使用する。機器の計測制御レンジの上限値にこの比率をかけた数値が誤差範囲となる。
%RD
パーセントリーディング(読み取り値誤差)。
表示精度や制御精度を表すときに使用する。その時の計測流量値(読み取り値)にこの比率をかけた数値が誤差範囲となる。%FSに対し、レンジ幅全体の低い部分(小流量域)での誤差量は少ないため、広い計測範囲において精度を維持する。
レンジアビリティ
精度を保証する計測流量範囲(最大流量と最小流量の比を表した数値)のこと。
圧力損失
流体が通過するときに生じる抵抗。配管上に流量計を設置した場合、その圧力損失は、入口側圧力と出口側圧力の圧力差のことである。
必要差圧
マスフローコントローラにてフルスケール流量を得るのに必要な差圧。
動作差圧範囲
マスフローコントローラにて制御を行うことが可能な差圧の範囲。バルブ閉止時に差圧が上限より超えるとコントロールバルブが開かないことがある。また下限は圧力損失以上の差圧が必要。
UNF
米国規格の平行雌ネジで、特殊継手を接続する場合に本体側のネジ加工形状に利用。